こんにちは、さかい国際行政書士事務所です。
今回は、2027年4月1日より厳罰化される「不法就労助長罪」について書きます。
外国人労働者の受け入れが急速に拡大するなか、出入国在留管理庁は不法就労の受皿となる事業者への監視と罰則を一段と強めている。2024年に成立した改正出入国管理及び難民認定法(入管法)により、不法就労させたり斡旋(あっせん)したりした事業者に科される「不法就労助長罪」の法定刑が引き上げられる。施行日の2027年4月1日以降、罰則の上限は現行の「3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金」から「5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金」へと大幅に引き上げられる。「過失」による確認不足でも罪の問われるため、企業には採用・労務管理体制の見直しが求められる。
---------雇用する企業にも両罰規定---------
今回の厳罰化は、育成就労制度の創設を盛り込んだ改正入管法の一環として決定された。不法就労助長罪(入管法73条の2)の法定刑上限が、拘禁刑が2年延びて「5年」、罰金額は、200万円増額の「500万円」とされる。さらに悪質なケースでは、拘禁刑と罰金刑のう双方が同時に科される「併科」も適用される。
入管庁関係者は「不法就労を発生させている背景には、事業者の確認不足や安易な人出不足穴埋めがある。悪質なブローカーだけでなく、不適正な雇用を続ける企業側の刑事責任をより重く問う」と強調している。
---------意図しない違反にも注意---------
不法就労として摘発されるケースは主に以下の3つの類型に分かれる。
1.不法滞在・オーバーステイ者の就労(密入国者や在留期間切れの雇用)
2.無許可の就労(観光目的や短期滞在者や資格外活動許可のない留学生の雇用)
3.認められた範囲を超えた就労(在留資格と異なる職種への従事、制限時間の超過)
企業側が最も意図せず違反に陥りやすいのが3の「範囲外就労」だ。例えば、専門的知識を前提とする「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で採用した外国人を、人出不足を理由に工場での単純作業や飲食店のホール業務に恒常的に従事させた場合、不法就労助長罪に該当する。
また、資格外活動許可を持つ留学生や家族滞在のアルバイトについても「複数個所の勤務時間を合算して週28時間以内」という法的上限が存在する。他社でのダブルワークを把握せずに超過して働かせた場合も、事業者が処罰対象となるリスクを負う。
---------過失面積は適用されない---------
「不法就労だとは知らなかった」「本人が働けると主張した」という言い訳は法的には通用しない。入管法第73条の2第2項では不法就労の事実を知らなかったとしても、在留カードの確認を怠るなどの「過失」がある場合には処罰を免れないと明記されている。
対策として入管庁では、スマートフォン等でカード内のICチップ情報を直接読み取る「在留カード等読み取りアプリケーション(無料)」の活用や、Web上「失効情報紹介サイト」での事前確認を強く推奨している。採用時に原本を提示させ、ICチップの真正性を照合した記録を残すことが、企業側の「無過失」を証明する防衛策となる。
---------事業継続を揺るがす二次被害---------
不法就労助長罪で摘発された場合、刑事罰にとどまらず事業経営そのものを揺るがすことになる。
第一に、入管庁は関係省庁と連携し、建設業や労働者派遣事業、飲食業などの事業許可基準における「欠格事由」に不法就労助長罪での処罰歴を追加する方向で調整を進めている。処分を受ければ事業許可の更新・新規取得ができず、廃業に追い込まれるリスクがある。
第二に、特定技能外国人や育成就労生の受け入れを行っている企業の場合、違反発覚から5年間にわたり新たな受け入れが全面的に停止される。また、実名報道による社会的信用の失墜や、官公庁の入札参加資格停止、大手取引所からのコンプライアンス違反による契約解除など、企業が負う代償は極めて大きい。
2027年4月の厳罰化施行までに、既に外国人の採用をされている企業、新たに採用を検討されている企業も、外国人の正しい就労を確認するフローなどの構築が急務となっている。
人出不足で外国人の採用をしたいが、人事部門の負担も増え、リスクが高いとお考えの経営者様には、ぜひ専門家である行政書士に相談されることをお勧めします。
当事務所では、外国人の在留資格期間更新や在留資格変更などの業務をメインにしております。
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